
過剰貸付の抑制については、指定信用情報機関制度や借入額の総量規制を導入して、返済能力を超える借入れを抑制する目的があります。
1.指定信用情報機関制度の創設
現在もすでに信用情報機関はありますが、これに加入していない貸金業者も多く、顧客の正確な借入れ状況が分かりません。また、信用情報機関が複数あり異動情報(いわゆるブラックリスト)がついた情報は相互に交換が行われていますが、異動情報のない情報(ホワイトリストと呼ばれています)については情報交換がされておりません。これもまた、正確な借入れ状況が分からない原因となっております。
[参考]
JIC(全国信用情報センター連合会)主に消費者金融会社が登録
CIC(シー・アイ・シー)主にクレジット・信販会社が登録
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行が登録
上記の3つの信用情報機関は「CRIN(クリン)」と呼ばれるネットワークを結んでおり、お互いの異動情報(ブラックリスト)のついた個人情報を交換しています。
その他にも、CCB(シーシービー)いろんな業態の業者が登録といった信用情報機関があります。
法の改正で、「個人の信用情報を適切に管理している」「借り手ごとに信用情報の名寄せを行っている」「加入している業者からの信用情報の提供が速やかに行われている」などの体制が整備されている機関を「指定信用情報機関」に指定し、貸金業者による情報提供、信用情報の照会や指定信用情報機関どおしの情報交流を義務付け、貸金業者が借り手の返済能力を十分に把握できるようにします。
2.総量規制の導入
1.にあるとおり、今後個人の借入れはすべて指定信用情報機関に登録されることになりますので、借入申込者が現在どれくらいの総借入残高(住宅ローンは除きます。以下同じ)があるのか正確にわかるようになります。
貸金業者は、借入れの申込み時に信用情報を照会し、1社あたり50万円を超える貸付又は総借入残高100万円を超える貸付を行う場合は、年収の分かる資料を徴収することが義務化されます。(この金額を超えない場合、年収は自己申告)
また、貸金業者からの総借入残高が年収の1/3を超える貸付が禁止されます。(例外として、1/3を超える場合でも借入れの理由が健全で、返済能力が定型的に認められる場合は借入れが認められます。)
大手の貸金業者が取り扱っているリボルビング契約(限度額内なら何度でも借入れができ、支払いは毎月最低支払額以上を支払えばよいという契約)においては、元本の返済がなかなかすすまず、借入れ期間が長くなってしまうことが問題として取り上げられております。
今後は、借入れ期間が長くならないように「最低返済額」を引き上げるなどの対応が、貸金業協会の自主規制ルールに盛り込まれる予定です。